モバイルWi-Fiは5Gに対応してる?最新の5G浸透状況は?

2020年前後から「5G(ファイブジー)」という言葉をよく耳にするようになりました。
これまでは3G、4Gなどが主流でしたが、5Gになると何が変わるのでしょうか。
また、モバイルWi-Fiを使っている方は、モバイルWi-Fiが5Gに対応しているのか気になるところでしょう。
この記事では、5Gとは何か、モバイルWi-Fiが5Gに対応しているのかについて詳しく解説します。
※本記事の情報は2022年5月時点のものです。
5Gの3つの特徴とは

5Gとは、「第5世代移動通信システム」のことです。「5th generation」の略であり、高速大容量、高信頼・低遅延通信、多数同時接続という大きな3つの特徴を持っています。
では、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
1. 高速大容量
5Gの大きな特徴の一つが、高速大容量です。字の通り、より多くの情報を、より高速で通信できるようになります。
この高速大容量を実現するのに欠かせないのが「Massive MIMO」というアンテナ技術です。
高周波数帯で、電波を細く絞ってより遠くに、より強く電波を発射することで高速通信を可能にします。
この技術を使えば、高画質の映像でも遅滞なく見ることができるため、在宅医療や警備、アーテイストのライブの配信などへの活用が期待されています。
現在のところダウンロードの最大通信速度の目標は20Gbpsで、現在主流の4Gの数十倍という速度です。
2. 高信頼・低遅延通信
続いて5Gの特徴といえるのが高信頼・低遅延通信です。
高信頼・低遅延通信は、利用者のパソコンやスマートフォンなどのデバイスと基地局の近くに設置したサーバーの距離を縮め、通信経路を短くすることで遅延を減らすことを指します。
遠隔操作においても、5Gを使えば素早くレスポンスが得られます。
たとえば、走行中の車に遠隔操作でブレーキをかける場合も、4Gと5Gとではレスポンスに大きな差が生まれます。
3. 多数同時接続
5Gの別の特徴が、多数同時接続です。
スマートフォンやパソコンなどの端末と基地局の通信をよりシンプルにすることで、多くの端末が基地局と通信することができます。
5Gの現在の目標は、1平方キロメートルあたり1,000,000デバイスが接続できるようにすることです。現在主流の4Gでは1平方キロメートルあたり100,000デバイスが限界であるため、10倍の端末が接続可能です。
非常に大勢の人が同時にインターネットに接続しても、快適に使い続けられるようにするため、5Gは非常に重要な技術なのです。
5Gのメリット・デメリット

5Gは現在世界中で注目を集めている技術ですが、やはりメリットとデメリットがあります。
では5Gを利用する際に覚えておくべきメリットとデメリットをご紹介します。
5Gのメリット
5Gの大きなメリットといえるのは、やはり通信速度でしょう。
これまでの4Gとは比較にならないほど通信速度が向上します。
5Gを導入しているモバイルWi-Fiを使用すれば、外出していても光回線のような通信速度でインターネットを利用できるようになるかもしれません。
これまではオンラインゲームや動画のアップロードなどは室内で行うのが普通でしたが、5Gが主流になれば屋外でゲームの配信なども行えるようになる可能性があります。
さらに、5Gであれば、多くの人がいる場所でもストレスなくインターネットを使えます。
非常に大勢の人が同時にインターネットに接続しても、問題が発生しにくくなります。
たとえば、大きなスタジアムやホールでコンサートなどが開かれ、大勢の人がその場にいても、インターネットの遅延を感じずに利用できるでしょう。
その場で一斉にアプリを使ってイベントに参加するといった使い方もできるかもしれません。
5Gのデメリット
5Gは通信速度や同時接続数など多くのメリットがありますが、デメリットもあります。
まず、5Gを使えるエリアがまだまだ限られている点です。
現在主流の4Gであれば、日本全国ほぼどこでも通信可能ですが、5Gに対応しているエリアはまだ広くありません。
順次拡大している途中ですが、日本全国どこでも5Gがつながるわけではないことを覚えておきましょう。もちろん、アメリカなど主要な先進国以外では5Gが使えないところが多いのです。
また5Gに繋ぐには対応した端末が必要となり、バッテリーの消費が非常に大きくなることが予想されます。
4Gに対応している端末でも、バッテリーの消費が速いと感じる方は少なくありませんが、5Gになればバッテリーの消耗がさらに速くなる恐れがあります。
加えて、通信量が高くなるかもしれないというデメリットがあります。
5G回線を使ったモバイルWi-Fiはまだ少ないので、月額料金が高く設定されているケースがあります。
さらに5Gに対応した端末を利用するために別料金が取られることも考えられます。
より多くの費用がかかるのも、5Gのデメリットといえそうです。
また、5Gでは知らないうちに非常に大容量の通信を行ってしまう可能性があります。
通信容量によって速度制限がかけられるプランの場合、知らないうちに速度制限がかかってしまったということもあるかもしれません。
モバイルWi-Fiは5Gに対応している?
多くのメリットがある5Gですが、日本国内の複数のキャリアも5Gを導入したモバイルWi-Fiの提供を始めています。
2019年以降、世界の各国で5Gのサービスが提供され始め、日本でも2020年3月からサービスの提供が始まりました。
モバイルWi-Fiにも続々と5Gが搭載されており、外出先でも高速通信を体験できるようになっています。
通信速度はこれまでのモバイルWi-Fiよりもかなり速い2Gbpsから4Gbpとなっており、5Gの長所が存分に活かされています。
海外対応しているモバイルWi-Fiも多いので、海外旅行や海外出張などに持っていってもとても便利です。
ただし、5Gに対応しているモバイルWi-Fiを契約する場合、端末価格が2~4万円程度かかることが一般的なので覚えておきましょう。
最新の5G浸透状況は?
2020年3月に5Gのサービスが提供され始めてから数年が経ちましたが、日本国内外で5Gはどれほど認知・浸透しているのでしょうか。
良質で高速な通信を実現するために開発された5Gですが、どの程度の人が恩恵を受けているのでしょうか。
最新の5G浸透状況について見ていきましょう。
5Gはまだそれほど認知・浸透していない
総務省が発表しているデータ通信量の推移を見てみると、2025年には45%が5G通信になることが予測されていますが、2020年に5Gの利用が開始されてから2022年現在まで、まだ4G回線が大半を占めています。(※1)
次に、5Gの高速大容量、高信頼・低遅延通信、多数同時接続の3つの特徴を「内容を含めて理解している」「聞いたことがある程度」「全く知らなかった」の3択に分けて行った認知度調査の内容を紹介します。(※2)
「内容を含めて理解している」と答えた割合は、高速大容量が26.4%、高信頼・低遅延通信が18%、多数同時接続に関しては12.2%となっています。このように、5Gはまだ浸透しているとはいいがたい状況です。
5Gを利用するかを決定する以前に、5Gについてよく知らないと感じている人が多いことがわかります。
※1 出典:総務省|第1部 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd131230.html
※2 出典:総務省|第1部 特集 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd124210.html
5Gに対する期待や不安
5Gに対する期待と不安に関する調査では、64.3%が通信速度の向上、52.2%が通信料金の値下げ、42.7%がセキュリティの向上を期待しています。(※)
反面、61.7%の人は通信料金の高騰、49.7%が端末料金の高騰、27.9%が使用できるエリアが限定されることに対して不安を抱いています。
通信速度が速く使いやすくなる一方で、通信費や端末費が高くなることに懸念を抱いていることがわかります。
ただ、今後5Gエリアが拡大され、5Gに特化した低価格な料金プランや端末が登場することになれば、不安な面が解消されて、徐々に浸透していくでしょう。
※ 出典:総務省|第1部 特集 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd124210.html
モバイルWi-Fiは5Gに対応している!エリアはまだ拡大中
5Gはまだ浸透しているとはいえませんが、いずれ主流になっていくでしょう。
高速通信や同時接続などの点でさらに便利になっていくはずです。
ただし、それまでは4Gが幅広く使われていくでしょう。
モバイルWi-Fiを選ぶ際には、5Gだけにこだわるのではなく、自分のニーズをよく考慮して製品を選ぶことが重要です。
※2022年6時点でスカイベリーWiFiは5Gに対応しておりません。